金魚すくい掬 第3話
掬 | 「くぅっ・・・。」 |
掬は布団にくるまりながら、 | |
掬 | (やっぱりシャーペンの回しすぎだったのか・・・?) |
右手を押さえ、夕日に向って立ち尽くす掬・・・。 | |
その右手にはシャーペンがしっかりと握られ・・・。 | |
掬は己の師匠との特訓の日々を思い出していた。 | |
そうだ。あれは5年前・・・。 | |
掴 | 「違う!そうじゃない。」 |
掴 | 「金魚すくいの心構えは何だ?言ってみろ。」 |
掬 | 「えっとぉ。掬うのではなく、掴み取る気持ちで行け!」 |
掴 | 「その通りだ。しかし、頭で理解しているだけではダメだ!」 |
掴 | 「体全体に無意識のうちに染み付いているようでないと・・・。」 |
掬 | 「でも師匠、僕どうやったらいいか分からないよ。」 |
掴 | 「甘ったれるなっっ!!」 |
掴 | 「よし、今日から1週間、お前は金魚と共に生活するのだ。」 |
掬 | 「えっ?」 |
掬の姿が見えなくなってどれくらい経つだろう・・・。 | |
師匠、掴の言う通り愛金魚と生活を共にしつつ放浪の旅に出た掬であった。 | |
次回! |