記憶のかけら
「待ってよぉ、ディリータぁ。」 「早くしないとどこかへ行っちゃうぞ。」 僕は必死になってディリータを追いかける。 でもいくら僕が必死になっても、いつもディリータは先に走って行ってしまう。 「待ってよぉー。」 「あっ!!」 ディリータを追いかけるのに夢中で足元の小石に気付かず、転んでしまった。 「うわーん、ディリータぁぁ。」 「ほら、しょうがないなあ、ラムザは・・・。」 こんな時ディリータは、いつでも手を差し伸べてくれるんだ。 僕よりも少し早く生まれただけなのに、僕の何倍もしっかりしている。 一緒に遊んでくれない兄さん達よりも、ディリータの方がずっと僕のお兄さんみたいだ。 「ほら、泣くなよ。アルマに笑われるぞ。」 「ううっ、泣いてなんていないもん。」 僕は必死でこらえようとしたけど、目の前がぼやけてきてしまった。 「大丈夫か?」 「うん。」 僕は目をこするとディリータの差し出した手につかまって立ち上がった。 「よし、行くぞ!」 「うん。」 「まだいるといいな、チョコボ。」 「うん。」 僕達は手を取り合うと、丘の上へ向かって再び走り出した。 |
申し訳ないです。
これも別サイトにアップしてあるものです。ラムザとディリータが幼い頃を書いてみたかったんです。
ずっとこのままでいられたら、最高の親友同士でいられたのでしょうね。